すべての道は鎌倉に通ず

「鎌倉殿の13人」ゆかりの地をめぐるブログ

【上総広常ゆかりの地】上総介塔(横浜市金沢区)

こんにちは、よたろうです。

今回は横浜市金沢区にある、上総介塔を紹介します。

データ

  • 名称:上総介塔
  • 訪問日:令和4年7月3日

yokohama-kanazawakanko.com

上総広常を祀ると伝わる五輪塔

上総介塔は、坂東随一の豪族で二万の兵を率いて頼朝の挙兵に参陣し、後の鎌倉幕府の成立に大きく貢献した上総広常を祀るものと伝わる五輪塔です。

バス通りにひっそりと佇む五輪塔

ただし、上総広常を含む代々の上総氏は上総介/上総権介の官位を世襲で継いでおり、この五輪塔の主がどの上総介/上総権介であるかについては諸説あるようですが、地元では上総広常のものと伝わっているそうです。

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では佐藤浩市さんが上総広常を好演し、もはや「上総広常=佐藤浩市」と言っても過言ではないほどにイメージを固められましたよね。

第15回「足固めの儀式」で謀反を企てた中心人物であるとの濡れ衣を着せられて誅殺されてしまう姿には、多くの視聴者がやるせない思いを抱いたものと思われます。。。

この上総介塔から歩いて5分ほどのところに、鎌倉の十二所と横浜市金沢区を結ぶ峠道「朝夷奈切通(あさいなきりどおし)」の金沢区側の入口があります

バス通りを折れて200mほど進むと……

軽い気持ちで挑むと後悔する峠道の入口

この朝夷奈切通は、塩の産地でもあり港町として栄えた六浦(むつうら)の物資を鎌倉へ輸送するための重要な交通路として、仁治2年(1241年)に時の執権・北条泰時の陣頭指揮によって開削工事が行われたとされています。

一説には和田義盛巴御前との間に生まれた朝比奈三郎義秀が一夜にして切り開いた……という伝説もあるようですが、さすがに創作でしょう。もっとも、この「朝夷奈切通」という名称は朝比奈義秀に由来しているようなので、開通に際して顕著な働きをしたことは間違いないと思われますが。

岩山を開削した、文字どおり「切通

この朝夷奈切通の鎌倉側の出入口(鎌倉市十二所)付近には、梶原景時が上総広常を斬った際の刀を洗ったとされる「太刀洗水」があります。

「梶原太刀洗水」とも言われる湧水

生い茂る草木に隠されてしまった看板

上総広常が梶原景時と双六に興じていたところを突然斬りかかられたのは鎌倉の御所内と言われていますが、この太刀洗水から数分のところにある「三郎の滝」の奥手にある果樹園周辺が上総広常の館であったと考えられていることからも、悲劇の舞台は御所ではなく上総広常の館だったのかもしれませんね。

この「三郎の滝」の奥のほうに館があったとか

ちなみに、ここを訪れた日は上総介塔だけを拝んで帰ろうと思っていたんですが、軽い気持ちで朝夷奈切通に足を踏み入れてしまい、少しだけ後悔しました。。。

行き交う人たちがトレッキングシューズを履き、ストックを握っていたのに対し、こちらはコンビニにタバコでも買いにきたかのような軽装……折しも前日までの雨でぬかるんでいたところも多々あり、おっかなびっくり歩いたおかげで鎌倉側に至るまでにけっこうな時間を要し、復路はバスを利用しましたもの(笑)

前日までの雨で所々が川のようになっていました

朝夷奈切通を散策してみようとお考えの方は、ぜひ「ガチ装備」で臨んでくださいね。

アクセス

神奈川県横浜市金沢区朝比奈町513
「朝比奈」バス停から徒歩1分
駐車場なし(近隣に有料駐車場あり)