こんにちは、よたろうです。
今回は横須賀市の浄楽寺を紹介します。
データ
運慶作の仏像5躯を所蔵する古刹
浄楽寺は正式名を「金剛山勝長寿院大御堂浄楽寺」といい、和田義盛と妻の小野氏(横山時重の娘)を顧主として文治5年(1189年)に仏師・運慶に制作された仏像5躯を所蔵しています。
創建年は不詳のようで起源についても諸説あるようですが、源頼朝が文治元年(1185年)に父・源義朝の菩提を弔うために鎌倉に創建した勝長寿院が建永元年(1206年)の台風で損壊したため、和田義盛と北条政子の手によって本尊の阿弥陀如来がこの地に移されたのが起源とも言われています。
運慶の作と伝わる仏像5躯は、写真の本堂ではなく、本堂裏手にある収蔵庫に保管されていて、毎年3月3日と10月19日に一般公開されるそうです。
なお、「運慶作」とは必ずしも運慶が個人で制作したものとは限らず、大仏師・運慶が10人の小仏師を率いて造像したものも含まれるそうですよ。浄楽寺さんの境内に掲げられている解説で初めて知りました。
この運慶作の仏像は、不動明王立像と毘沙門天立像の胎内から発見された月輪形木札から文治5年(1189年)の作であることが分かっているそうですが、鎌倉の御家人たちを束ねる侍所別当であった和田義盛が同年の奥州合戦の戦勝祈願のために運慶に制作を依頼したと見られています。
一方で、この3年前には北条時政が伊豆の願成就院の仏像制作を運慶に依頼していたため、これに対抗して……という見方もあるんですって。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で横田栄司さんが演じる和田義盛のイメージからすると、ものすごく後者のような気がしますが、実際のとこはどうだったんでしょうね(笑)
ちなみに、浄楽寺さんには大正8年(1919年)に横須賀市の芦名の別荘で亡くなった、「日本郵便の父」こと前島密の墓もあります。
「青天を衝け」「鎌倉殿の13人」と、期せずして2年続けて大河ドラマに登場した人物にゆかりが深く、また、事前予約によって色々な歴史体験を楽しむこともできる、見どころ満載のお寺さんです。
アクセス
神奈川県横須賀市芦名2-30-5
「浄楽寺」バス停から徒歩約1分
駐車場あり