こんにちは、よたろうです。
今回は比企郡嵐山町の鎌形八幡神社を紹介します。
データ
木曾義仲の産湯に使われたと伝わる清水
鎌形八幡神社は、平安時代の初期、延暦年間(782年~806年)に坂上田村麻呂によって創建されたと伝わる神社です。
武門、武将の神として仰がれる八幡神は源氏の守護神ですが、縁起には「源頼朝及び尼御前の信仰ことのほか厚く」とあるそうです。
この嵐山町の一帯には源義賢・義仲・義高の三代にまつわる伝説が多く残っていますが、この鎌形八幡神社は後の「朝日将軍」こと木曾義仲にゆかりが深く、義仲の産湯に使われたという清水が今日も湧き出ています。
木曾義仲は仁平3年(1153年)、父である源義賢が鎌形八幡神社から2kmほどの大蔵館に移り住んだ年に生まれたと伝わっており、その際に近隣の7つの清水から産湯を使ったとされていますが、他の6つはすでに枯れてしまい、現在はここに残っているものが唯一なんだそうです。
また、境内の由来書きによると、阿弥陀座像が鋳られた懸仏(安元2年=1176年の銘)と薬師座像が鋳られた懸仏(貞和4年=1348年の銘)が伝わっていて、阿弥陀座像のほうには「奉納八幡宮宝前 安元二年丙申天八月之吉 清水冠者源義高」と刻まれているとのこと。
※懸仏(かけぼとけ)とは、鏡面に神像や仏像を取りつけて信仰の対象としたもの
注釈として「但し、源義高は安元2年には生まれていない」と書かれていますが……念のためWikipediaで調べたところ、源義高の生年は承安3年(1173年)となっているので、そうであればとくに矛盾は生じません。まぁ、よく聞く「諸説あります」というやつですね。
ちなみに、鳥居と拝殿の間にある門の扁額に書かれた「八幡宮」の「八」の字の意匠が鳥のデザインになっています。
同じ鳥のデザインであっても鎌倉の鶴岡八幡宮や伊豆の守山八幡宮のものとはまた少し違いますので、比べてみるのも面白いかもしれません。
さて、突然ですがここでクイズです。
この扁額が掲げられている門から拝殿方向を臨むこの風景、とある大河ドラマに何度か登場していますが、どの作品か分かる方はいらっしゃいますかね?
正解は……「鎌倉殿の13人」の前作、2021年に放送された「青天を衝け」で渋沢栄一が少年時代に村祭りで獅子舞を披露し、お千代にプロポーズをした血洗島の神社のロケ地でした。
「鎌倉殿の13人」のゆかりの地をめぐっていて「青天を衝け」のロケ地に辿り着くとは、なんというか「一粒で二度おいしい」という感じです(笑)