こんにちは、よたろうです。
今回は伊豆の国市の眞珠院を紹介します。
データ
源頼朝の最初の妻と伝わる八重姫を祀る寺
眞珠院には、鎌倉時代の初期に源頼朝との悲恋を苦に真珠ヶ淵の渦巻く流れに身を投げたと伝わる、伊藤祐親の三女・八重姫を祀る「八重姫御堂」があります。
伊豆国に流罪となった源頼朝は伊藤祐親の監視下で日々を送っていましたが、祐親が大番役(朝廷の命で地方の武士が京の警護をするもの)で上洛している間に八重姫と恋仲になり、やがて一子(千鶴丸)をもうけました。
しかし、京から戻った祐親の逆鱗に触れ、千鶴丸を轟ヶ淵(稚児ヶ淵)に沈めらて命を奪われたうえに江間次郎に嫁がされてしまい、北条時政の下に逃れた源頼朝がやがて時政の長女・政子と結ばれたことを儚んだ八重姫は、頼朝との仲を引き裂かれたことを苦に入水をしてしまったとされています。
そんな八重姫を祀る八重姫御堂は、山門をくぐってすぐ右手にあります。
八重姫が入水したときに「せめて梯子があったら救うことができたのに……」という里人たちの気持ちが、今日では願い事が叶ったお礼参りとして小さな梯子を供えるという風習として残されているとのことです。
守山の山裾のあるこの眞珠院の境内は、枯山水を思わせる石庭になっており、八重姫ゆかりの寺院のイメージに違わず、全体的に優しい雰囲気でした。私が訪れたのは陽射しが強く、気温も優に30℃を超す暑い日でしたが、参拝客一人ひとりに優しく声をかけ、丁寧に御朱印を書いてくださっていた住職と坊守様も、とっても素敵な方でしたよ。
守山の山裾にはこの眞珠院のほか、北条時政が建立した願成就院や、北条氏邸跡、北条政子産湯の井戸等の北条氏ゆかりの史跡が数多くあることを考えると、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で描かれたように北条義時と結ばれ、後の北条泰時となる金剛をもうけたという説もあながち夢物語ではないのかもしれませんね。