こんにちは、よたろうです。
今回は横浜市泉区にある、泉中央公園を紹介します。
データ
- 名称:泉中央公園
- 訪問日:令和5年1月7日
謎多き「泉親衡の乱」の首謀者
相鉄線のいずみ中央駅から5分ほどのところにある泉中央公園は、泉親衡(いずみちかひら)の居館があったと伝わっています。
……と、サラッと紹介していますが、「泉親衡って誰やねん?」という方もいらっしゃるかと思われるので、簡単に紹介しますね。
泉小次郎親衝は信濃国の小県(ちいさがた)を本拠とする鎌倉幕府の御家人の一人で、建暦元年(1211年)に時の執権・北条義時を打倒するべく、源頼家の遺児である千寿を擁して挙兵を計画するも、事前に露見して頓挫……この計画に加わった和田義盛の息子と甥が捕らえられたことが元で和田合戦が勃発することになります。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第40話「罠と罠」では、「多くの謎に包まれている男。突然現れ、御家人たちをそそのかし、突然消えた」とのナレーションが入り、その正体が生田斗真さん演じる源仲章という衝撃の設定なっていましたよね。
そんな泉親衡の居館があったとされるのがこの泉中央公園ですが……発掘調査で発見された土塁や空堀は時代が新しく、本当に泉親衡に関わる遺跡かどうかはよく分かっていないそうです。
この泉中央公園の北西には泉親衝が道場として創建したと伝わる長福寺、守護神として祀ったと伝わる須賀神社がありますので、当地を訪れるご予定の方は合わせてお参りされることをお勧めします。
なお、「泉親衝の乱」後の親衝の行方は不明で、千寿とともに現在の埼玉県川越市に落ち延びて出家し「静海」と名乗って88歳で没したと伝わっているほか、信濃国の昔話においては主人公として竜の化身とされていたりと、様々な伝承や創作に登場する謎多き人物のようです。
前述のとおり「鎌倉殿の13人」で三谷幸喜さんはその正体を源仲章とする大胆な設定にしましたが、架空の人物を劇中に登場させることはよくあれど、実在する(とされる)人を架空の人物にしてしまうというのは、泉親衝のこういう謎めいた人物像あってこそなんでしょうね。